丁寧さを最大出力に。
これまでぼくはとにかく勢いで漫画を描いていて、丁寧さとは無縁だった。絵は後でどうにでもなるから、とりあえずはやく物語を紡ぎたいという思い、と言えば聞こえはいいが、ようはめんどくさがりの雑な男だっただけである。
そしてたちの悪いことに、心のどこかでは「本気出せば、一枚絵なら鳥山明に肉薄できる」と思っている自分がいた。絵を雑に描くことの最大のデメリットは、「自分の限界を無意識のうちに高い位置に設定する」ということだと気づいた。「おれは本気出してないだけ」というアレだ。自分のフルパ