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リニュ版1話完成までもう少し!の話。

今日も、担当編集佐渡島さんとの打ち合わせで話したことを文字起こししたものを載せます。

1話のネームの修正版、かなりよくなったので、それも最後に初公開。

リニューアル版第1話大完成まで、もうあとちょっとのところにいる!!!!


では、どうぞ!

・ネームのスピードが上がった手法
・「葛藤の流れ」という新しい言葉
・「運命のリフォーカス」どう修正したか
・描きながら、何を体感した?


ネームのスピードが上がった手法

まず、これ描き方の話なんですけど。

今週の火曜日から木曜日にかけて、毎日できたところまで編集に共有していったんです。
毎回、1日の終わりに描けたとこまで必ず見せるってやった方がいいかなと思って。

やってみたら、スピードが上がったのと、内容も毎回良くなった気がしました。
フィードバックの数も増えるからね。シンプルに。

コミュニケーションを増やすっていうのは、結局、作品の質と速度を上げるなと改めて思った。

(この考えに至ったのは、実は新しく始めた「ある習慣」の影響があるのだけど、その習慣についてはまた別で特集組んで書きますね。)


「葛藤の流れ」という新しい言葉

佐渡島さんが電話で、最初の火曜日の原稿見た後に電話かけてきて、

「これまで『感情の流れ』って言っていたものを『葛藤の流れ』っていう言葉で考えるといいって話が羽賀くんから出てきて、それがすごくいい発見なんだよ」

って話が ずっと頭に残ってて。

どういうことなのかなっていう。
「葛藤の流れ」っていうタイトルの本を渡されたなと思って。

電話ではね、目次を開いたぐらいの感じで、通話が終わったけど、あれはどういうことかなっていうのを考えながらネームに挑んで。

「葛藤の流れを描く」っていうのを考えながらネームに挑むのは、ある種、演出の監督の目線で冷静に考えることになるのだけど。

その葛藤する星哉自身にはやっぱり入り込まないと、本当の心は見えてこないなと思って。

同時に二つをやらなくてはならない。

火曜日にあげた初稿に対する佐渡島さんの感想で
「もう100回ぐらいこの経験をしてきて、わかってる人に見えるよ」って言ってて。

僕としては3回目ぐらいのつもりだったんだけど、もう100回経験してきた男がもうある種クールにどうにか今度こそ助けようとしてるっていうふうに見えると。

僕自身が原稿100ループ以上してるからその感じも出ちゃってるし笑、
一旦やっぱ3回目の星哉がどんな感情なのかを言葉にしてみようと思って、まず言葉で感情と状況を書き出しました。

どういう状況でどういう感情なのかをわかってるつもりだったけど、言葉にしたら意外に見えてなかったことがあって。

「助けれるかどうか」以前に、こんな不気味な状況で、
「これ関わっていいの?怖いな」っていう感情があるはずなのに抜けてたなと思って。

自分しか、人がもうすぐ死ぬことを知らないけど、それをどうにかしようとするってことって、めちゃくちゃ怖いことだなってやっぱり感じて。

その自分が何かすれば未来が変わるかもしれないけど、何かするっていうことに踏み込んじゃうことって、
なんかすごいえもいわれぬ不気味さがあるんじゃないかなっていう体感を感じて、それを描かなきゃダメだなと思って。

どう対処するか以前に、もしここに助けられる可能性のある人物がいたらどうする。助ける?でも怖いぞ。みたいな。まずそれがあるなと思って、それを中心に直したっていう感じです。

それを中心に直していこうとすると、自然と「葛藤の流れ」っていうのが見えてきて。

まず、 僕がやるのか、僕しかいないのか、でも怖いぞっていう葛藤があって、
それがあった後に、 この人間を見つけていいのか?って思ってるところに、
なんと隣にいるっていう状況が来るっていうのが、「葛藤の流れ」から「唐突に来る出来事」のテンポとしてすごいマッチしたかなと思って。

で、それが来たら、さらに主人公はどんな葛藤するんだろうっていう風に繋がって。

で、そこで彼は 迷ってたけど、やりたくないんだけど、でも助けたいって気持ちもどっかにある中で、その助けたい人が真隣にいたら、
星哉という人は「これは、助けろってことだ」みたいな気持ちにパッと決断するような奴かなって思って。

で、そっから話しかけるっていうアクションが生まれた。

こういう風に、
中盤まではずっと彼の思考というか、感情とか、それを追ってくっていう形で話を進めたから、
自分自身が結構、描きながら 緊張感を持ってたなと思ってて。

で、その、緊張感って言っても、前は「助けられるのか、どうなるんだ」っていう、雑な緊張感っていう解像度だったんだけど、今回はその緊張感に バリエーションとか濃淡があるなと感じて。

緊張感の中でも少しほっとするとか、 もう見つけちゃったんならやるぞってエンジンがかかるとことかっていうのは、ここ緊張感の色変わったなというか、濃淡っていう言葉しか出てこないんですけど、なんかギア変わるなみたいなことがあって、その緊張感のバリエーションの数が増えたなっていう風に感じて。

それがわかると、なんか僕としては、「このシーンちょっとつまんないな」って思いながら描く瞬間はなくなっていって、全部が描きたいシーンになっていったんすよね。

この星哉は、いろんな感情と葛藤を経てるんだよっていうのを知ってんのは僕だけだから、
この人を助けに行くぞ。ってなるまでの、彼にはいろんな旅があったんだっていうことを描きたいってすごく思えて。

で、全部楽しくというか、描きたいものを描くっていう風になっていったなって思いました。

昨日はラストまで行く目標で描いてたから、最後まで走ってみたっていう感じですね。以上です。


そのネームがこちら。▼

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