おれの「タテスクマンガ」を振り返る(前編)
どうも!つのだふむです。
今週も「ふむの楽屋」にきてくれてありがとう。
こちらのノートをザクっと読んでもらうとより知ってもらえます。▼
今週のトピックは
「俺のタテスクマンガを振り返る」。
有料部分の楽屋の奥の日記で書いてますが、先週「タテスクマンガ」について色々改めて考える会話があり、自分のやってきたタテスクを振り返り、改めて考えていこうと思って。
僕は『りさこのルール』(現在のタイトル『リアル・ユー』)というマンガでデビューした。
それがタテスクこと「縦スクロールマンガ」だった。
色々試行錯誤しながら連載前の準備をし、週刊連載が始まってからも、模索していたのですが。
いつしか自分なりの「タテスク」はこれくらいがやりやすいな、というところに「定着」してしまっていた。
正解が何もない中で、新たな土地を求めて旅することもなく、安住の地を見つけてしまってはいけない。
腰をあげて、また旅に出る。
旅の準備の気持ちで、今日はこれまで僕が描いたタテスクの中で「良かったと思う点」をピックアップしようと思う。
このノートは2週連続の前後編にしようと思っていて、
後編では「悪かった点」を振り返りながら、今後の作戦を練ろうと思います。
『リアル・ユー』のなかで、これはタテスクの醍醐味だな、と思っている演出▼
▲人生で初めて告られた喜びの表現。バカバカしさとダイナミックさのバランスが好き。
▲謝罪の頭を下げる縦方向の勢いを表現。これもバカバカしくて好き。
▲スクロールしていくと、まさかの牛の首が出現という演出。今思えば、もっとスクロールを長くすればよかった。
ここからこの物語はどんどん加速。
▲告られた喜びシーンの進化系、雲をも突き抜けちゃう。こういう振り切った妄想を、もっともっと入れたほうがよかった。
▲手前に飛んできているアクションを狙ったナイストライ。
▲スマホの恐怖ビデオ通話をフルスクリーンで表現しようとしたナイストライ。さらに小さくて拡大しなきゃ見えない、ということにも同時にトライ。この辺りだいぶ実験精神にあふれている。今ならもっとうまくやれる。
▲タイトルが崩れ落ちる演出。タテスクを利用してタイトルであそぶのもこの回から始まった。
ノンスタ井上さんのアイディアからインスピレーション受けたもの。
▲絵柄を変えてみつつ、捨てられる原稿、見下ろされる威圧・主従関係を表現。これは好き。
▲このシーンは全話の中でもベスト級のタテスク演出じゃないかと自分では思った。カメラが上から、歩く4人をスライドしながら映し出していくような映画的な動きのある演出になっていて、こういうのをたくさん入れ込めば、相当飽きないマンガになるのではないか。
▲この1話は全話の中でも一番、演出も内容も挑戦した回。ここに僕の演出方向性のヒントのかけらがあるような気がしてならない。とにかく一番描いてて楽しかった回だ。反応はあまり良くなかったが。
▲同じ回なのだが、この回は本当にほとんどのカットが工夫されている。どうしてこの回のような遊びに満ちた回がほかにないのか!自分でも謎である。
▲タイトルの出方が良い。
▲これもタイトルが良い。タテスクはタイトルだけでなく、いろんなサブ要素でまだまだ遊べる可能性があるはずだ。
▲影と牢獄で、画面で韻を踏む演出をした。好き。
▲手紙のドラマティックはタテスクに合うかも。
▲強烈系。こういうイマジネーションは僕の個性になりうるかもしれない。
▲この回の2人の亀裂を予感させる演出。こういうカットをもっとスタイリッシュにいくつも描けたらいいのだろうな。バリエーション豊かに。
▲ここは、川をもっと長くして、スクロールの先にオチを作るべきだったかも。もっとやれたなー。
・・・リアルユーを見直して、僕が、これはタテスクだなぁと思ったシーンを抜き出した。
自分用のメモだけど、これから描く人の参考にもなった嬉しい!
次週は「これはタテスクでやんないほうがよかった!」という点を振り返ります!
最後まで読んでくれてありがとうございました!
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出会いをぜんぶマンガにする、インサイド・ストーリー
出会いをぜんぶ、マンガにする。 自分の生活と、どんな出来事も味わい、マンガにしていくマンガ家の日々の日記と、移住した糸島での暮らしを描いた…
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