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新連載「ロケ弁の女王」のこと。

こちらはマンガ家、つのだふむのnoteです。

今週は特別編。


いよいよ明日3月27日(月)から始まる僕の新連載「ロケ弁の女王」のことを書きます。


ドラマ現場の中心で、ロケ弁愛を叫ぶ。

撮影現場の食事、通称「ロケ弁」をしっかりと味わうことこそが、いい作品作りには欠かせないと信じている新人スタッフが主人公だ。

明日からLINEマンガで連載開始。

ここまでくるのに、2年近くかかってしまった。

僕は、当初「ロケ弁を愛する」ということがどういうことなのか、
なかなか実感が持てなかった。

映像制作会社で5年くらい働いていたこともあり、もちろんロケ弁もたくさん食べたけれど。
弁当は弁当だし、味わうどころか急いでかきこんで食べることが多くて、
その頃はまだ、ロケ弁は癒しの時間ではあるけれど、特別なものとまでは思えないというのが正直なところだった。

ロケ弁を味わうとはどういうことなのだろう?

いくつものロケ弁を調べる中で、気づいたことがあった。

どのロケ弁屋も、パッケージデザインからおかずの内容、配置、量のバランス。その他もあらゆることにおいて食べる人のことを想像し、
「こう味わってくれたら嬉しい」と深く考え抜かれていて、それが弁当という四角いケースにぎゅっと収められている。

それを言ったら、世の中のプロの料理屋さんは全部そうかもしれない。が、
ロケ弁は1000食、2000食同時に作り、配達したりする。
しかも、数日にわたるロケの分を依頼されたりもある。

そういう制限の中で、撮影現場で働いている人たちのことを想像し、栄養バランスや、連日で飽きないようにしたりとかという基本的なところも含めて考えて作るというのは、なかなか特殊なことに思えて、すごいな、面白いなと感じるようになった。

僕はそういう作り手の想いを全く想像することもなく、すごく雑にロケ弁を食べていたな、と気付かされたのである。

ロケ弁ノートより「津多屋」さん


そこで、原作ののやまあきさんが持ってきたこの企画はすごく面白いものだな、と改めて気づいた。
お弁当ひとつの裏にある、無数の試行錯誤や、食べ手は想像も及ばぬくらいの、一品一品ができるまでのこだわった工程。

これは、ドラマ現場の裏側とそっくりではないか!

ドラマや映画を見るとき、1カット1カットに対して、どれくらいの準備があるのか、どんな苦労や試行錯誤があるのか、どう味わってほしいと考えてるか、なんて想像しない。作り手はそんなことを想像させたいとも思ってなくて、楽しんでほしい。
ロケ弁も、ただ美味しく味わえているその裏側には、作り手たちの膨大な試行錯誤があり、考え抜かれた演出があるのだ。

ロケ弁を味わうとは、どういうことか?
それはつまり、作り手に深く思いを巡らせ、繊細に受け取れることなのではないか、と僕は思った。
そこから僕は、この作品の輪郭を掴み始めた。

ドラマも、ロケ弁も、膨大な工程を経て、最後は小さな四角い形に収まって僕らの目の前に届けられる。


ロケ弁ノートより「いちのや」さん

マンガもそうだ。
僕らがやっていることもまた、裏側ではたくさんの試行錯誤を経るし、楽しいだけじゃない、失敗や、辛いこと、苦しいことも、たくさんあった。
読者にはそれを伝えたいわけではなくて、ただただ楽しんでもらいたい。
裏側のすべては、受け手に楽しんでもらうためにある。
それを四角いコマに収めて、届けたい。

読者が楽しんでくれた時、僕たちもまた、自分達が経てきたことをおいしく味わうことができる。

そんなことを考えながら、たくさんロケ弁を食べ、調べ、「ロケ弁の女王」を描いている。

僕にとって、自分自身の考え方を変える、とても大切な作品となった!!

そう考えると、2年というのは長いようで、僕がこの考えに至る適切な時間だったのかもしれない。

そして、実は、この文章を書いているのが23時55分なのだけど、0時になった瞬間に、LINEマンガに「ロケ弁の女王」が掲載されます。

しっかりトップページでの宣伝と共に公開されるのは月曜日の午前中なのだと思うのだけど、マンガ自体は日付が変わると同時に掲載されるみたい。

この僕のnoteを最後まで読んでくれた皆様は、ぜひ、このまま下のリンクからLINEマンガ「ロケ弁の女王」のページに飛んで、一気読みしてくれたら嬉しい!5話まで無料!!

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つのだ ふむ
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