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週刊楽屋ばなし13


今週は、まずこちらを。▼

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コルクスタジオのマンガ家たちが、りさこのルール完結のお祝いに描いてくれた!

ありがとう。

これを見て、キャラクターがたしかにそこにいたのだな、読者に育ててもらったな、と感じられて、嬉しい気持ちになった。

近々、今年を振り返るnoteを書きます。



今週は、今僕が取り組んでいる新連載までの道のり日記を、無料部分でも公開していこうと思います!▼

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先日、担当編集の佐渡島さんとの定例会で、この新連載企画のためのメモについて話したのだが、「企画が核心に近づいている感じがない」という話になった。

「信念が真逆の男二人のバトル(とブロマンス)」というのは、僕としては「馴染み感」のある王道の物語になりそうだという手応えがあったが、実はまだこれは設定で、ストーリーラインをどうするのかが決まっていないと気づいた。
ネームの断片で、それが見えてくればよかったのだが、見えてこないので、それが「企画が核心に近づいている感じがない」ということなのだった。

でも少し話して、どうすればいいのかはわかった。
次は、この馴染み感のある設定だと、どのような「馴染み感」のあるストーリーラインがあるか?どのような過去の作品を基にして、ストーリーラインを引くか?
ということを考えればいい。

「馴染み感」の言葉はこちらのブログを参考にした▼



佐渡島さん「つのだくんの『サンクチュアリ』が読みたい!」

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、、、何気なく雑談をしていた中で、「サンクチュアリ」が飛び出してきた。

ああ、なんで自分はブロマンスの参考作品にこれを入れていなかったのだ!?
こんなにど真ん中なものはないぞ、という気持ち。。

そういえば、サンクチュアリでなんとなく思い出す、「インファナル・アフェア」という映画もあった。のちに「ディパーテッド」というタイトルでハリウッドリメイクされる名作映画だ。

今日は、今僕が走らせている「男2人のブロマンス」設定のストーリーとして参考になりそうな、この2作のストーリーラインを分解して、どう活かせるか書きながら考えてみたいと思う。

まず、マンガ「サンクチュアリ」。あらすじはこうだ。

カンボジアでの戦乱から、日本へ帰国した北条彰と浅見千秋の二人。日本の腐敗した政治体制を、表(政治)と裏(ヤクザ)の世界から変革するため、それぞれが表と裏の世界で頂点を目指す。二人が表と裏の役割を決めたのはジャンケンだった。

目的は「日本を変える」。そのために、それぞれが、表の世界と裏の世界で頂点を目指す戦いが繰り広げられる。2人は「絶対に会ってはならない立場」だが、深く繋がっていて、お互いの快進撃を知っている。
読みながら、確実にどこかで2人が交わることを予想し、期待する同時に、2人の立場の違いが危機を生むだろうことも予想できる。
冷静に考えたら、おかしなところもたくさんあるんだろうが、そんなことはどうでもいいくらい勢いがすごく、感情とセリフがすごく、恐ろしく読みやすい。
圧倒的にマンガがうまいとは、こういうことなのだろうな、、、!
「表と裏から日本を変える」という目的は相当デカいけれど、マンガはこれくらいデカい風呂敷じゃないと、包みがいはないものだ。実写化は簡単ではない、というものこそ、マンガ作品としての勝利だ。(実写化されているみたいだが、見ていない。どうなんだろうか。)

◯この物語は、もともと深い友情で結ばれている同志の2人が、あえて離れ離れになり、同じ夢の約束を果たそうとする話だ。だからずっと友情はあり、後半、それが崩れるかもしれない、というのが大きな山場となる。僕が最近ハマった韓国ドラマ「トッケビ」にも、そのようなヒキがあって、とにかくこの関係性の崩壊のヒキ程強いものはない。

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次に、サンクチュアリに近いところのある香港映画「インファナル・アフェア」のあらすじはこうだ。

ストリート育ちの青年ラウは香港マフィアに入ってすぐ、その優秀さに目を付けたボスによって警察学校に送り込まれる。
一方、警察学校で優秀な成績を収めていた青年ヤンは、警視に能力を見込まれマフィアへの潜入を命じられる。やがて2人の青年は、それぞれの組織で台頭していく。そして10年後、警察はヤンから大きな麻薬取引の情報を受け取る。しかし警察の包囲網はラウによってマフィア側に筒抜けとなっていた。検挙も取引も失敗に終わったことで、警察、マフィア双方がスパイの存在に気づいてしまい、、。

こちらは、警察とマフィア、敵同士ながらも、お互いの置かれた過酷な立場に共感し、心のどこかでお互いが特別な存在になっている感じのブロマンスで、もともと僕が描こうとしている今回の企画に近いな、と感じた。
目的は、警察側はマフィアの殲滅で、マフィアはそこから逃れること。
サンクチュアリのような、ぶっ飛んだ大きな野望ではなくて、お互いがお互いの仕事を全うするために相手に対応するという、全うなお仕事の話だ。


「警察とマフィア、お互い潜入したらどうなるかやってみた〜!」

という、YouTuber的なタイトルが付けられる。

サンクチュアリの方は
「政治家とヤクザの世界でトップ狙ったらどうなるかやってみた〜!」

かな。
「日本を変えるために」という目的を、抜いても、面白そう。
つまり、目的は必要だけれど、それを抜いたら興味が持てなくなるものは、物語にはなりづらいのかもしれない。

どちらも、ゆくゆくは2人がぶつかるのが企画のサビだろうな、と予測がつく。

YouTuberの企画タイトル、考えられてるなー。

この手法、常にひとつの物差しとして持っておくのはいいかもしれない。


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、、、これらの整理を踏まえて、僕の次作、車とエンジンがモチーフである「世界最強のポルシェ男(仮)」で物語を構成すると、どのようなものになるか?

時間が来てしまったので、これは明日引き続いやってみようと思います。。

あと、コルクスタジオのヤクザであるピロシさんに「沈黙の艦隊」もブロマンスマンガとしてお勧めされまくったので、それも読んで、この比較リストに並べたい。

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ここから先は、このやりとりになる前に、僕が描いてみた新連載のテストネーム。
とにかく連載終了からも手を止めずに新しい作品に向かって進み始めている!▼


新連載のためのメモ③12/1

今回も、前回のように、シーンの一部を描いてみたいと思う。

やじまくんとユータヌキさんがアイディアくれた。

今回はやじまくんのアイディア部分しか描けなかったので、つづきは明日。




今日でちょうど、「りさこのルール」の最終回原稿を納品してから1週間。

連載時のテンションを落とさないままに、新しい物語を描きたいと思います!

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<雑観メモ>
ツイッターでの、りさこのハイライト編集投稿で気づいたのは、
第一話のど頭からじっくり読まなくては楽しめないものよりも、
「物語の断片」としてどこから読んでも興味が惹かれる作りになっているのが、現代のエンタメなのではないかということ。

その上で、興味を持って、第一話からじっくり読むと最高に面白い。
そういうものを目指すということを念頭に、作っていきたい。


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「世界最強のポルシェ男(仮)」

あらすじ

千葉県の越谷。畑が広がる長閑な場所に、ポルシェ専門の修理工場があった。
そこには世界中から、ポルシェエンジンの修理の依頼が来る。
なぜなら、世界トップのウデを持った男・小峰がいるからだー。

ポルシェを愛する人々は様々で、彼らは各々の物語とともに、修理の依頼へ訪れる。彼らの物語は千差万別だが、ポルシェへの愛だけは、共通だ。

ある日訪れた、1人の男を除いては、、、、。

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◯コミネの元に現れたのは、車を最先端の技術で進化させようとしている組織のブレーン的存在・大洋。

小峰VS大洋。 
どちらも、強い信念を持っていて、それぞれが、相手の信念に刺激を受ける形で自分の信念を突き進む。同じレベルで信念を持つ相手へのリスペクトと共感も生まれていく。孤独な2人が、実は唯一分かり合える存在とお互いを思っている。


大洋は、最先端の技術を追求していて、車が車の形をしなくなっても空を飛んだとしても、それが最先端で便利であればそれがベスト。究極は「車」という概念が無くなったっていいのだろう。最速に、安全に個人が目的地へつけるのであればいい。
おそらくどこでもドアは大洋が生み出すのだろう。

参考▼



「音」をテーマに描きました。
小峰は音を作り、大洋は音を消す。動と静。▼

ポルシェ男12/1_003

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